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2013年6月16日日曜日

ミンダナオ島、平和教育事例紹介:Peace Village Residential Experience(平和村居住体験)(2)

 [平和村居住体験のインパクト調査の時の様子]

 平和村の開催に向けて10月25日に現地のコーディネーター、地元教育省の方との打ち合わせがあり、早めの現地入りをしましたが、出発の準備が忙しい10月19日にはミンダナオ西部のバシラン島で起こった政府軍とモロ・イスラム解放戦線(Moro Islamic Liberation Front: MILF)との武力衝突、それから立て続けにザンボワンガ、そして私の目的北ラナオにも武力衝突が飛び火をしたところでした。随時現地の情報をアップデートしながら慎重に現地出発の如何を決定しました。状況が滞在中に悪化したらすべきこと、撤退先などを話し合い可能な限りの準備をして現地に向かいましたが、現地に行けば一部の地域をのぞいてはごく平和であり、武力衝突が比較的近隣で起こっているのか疑われるほど平穏でした。

 カパタガンへのアクセスですが、飛行機でマニラからオザミスへ向かいます。オザミスからはフェリーと車です。車からは、マニラで見かけるのとは異なったトライシクルのスタイルが見られます。
オザミスの位置するのはお隣の州のミザミスオキシデンタル、そこからフェリーで対岸の北ラナオ州のTubodまで渡ります。15分ほどの船旅を終えて、車で一時間ほど移動して3つ目の町がカパタガンです。













内容盛りだくさんのプログラムの中身は以下のようになっています。
プログラム

1日目(10月27日(木))
 参加者の到着、オリエンテーション、アイスブレーク
2日目(10月28日(金))
 ワークショップ、異なる宗教ごとの祈り、ピースパレード、オープニングプログラム
3日目(10月29日(土))
 フィリピン国旗についてセレモニー、ワークショップ(暴力によらないコミュニケーション)、サービスラーニング、コミュニティサービス、感謝祭
4日目(10月30日(日))
 KIDs say no to gun、平和への誓、瞑想






[平和村に参加する子どもたち]
 多くの子どもたちは、年に一度のイベントに参加したいと言います。しかし、宿泊場所や移動手段の確保などを含めて参加者は北ラナオ州の各小学校から2~3人選ばれています。選考の基準は各学校によって異なりますが、学校によっては成績な優秀な子どもであったりしますが、一番重要なのは学校内でのリーダーシップと平和に対する理解、とある地域の校長先生は選出の基準を教えてくれました。参加対象者は小学校の高学年4~6年生ですが、1〜3年生であっても両親の承認があり、兄弟や姉妹の同伴で参加は可能になります。
 参加する学生たちは数ヶ月かけて自ら貯金をして、参加費と交通費を拠出します。勿論、送り出す学校側や教育省の何らかのサポートがあるようですが、基本的には学生がお金を出す。そうすることで、継続性の担保・プロセスを通じて子どもたちが何かを学ぶと言います。


[宿泊場所]
 平和村キャンプ期間中に宿泊し、またワークショップを行う施設が敷地内にいくつか建っています。子どもたちは学校ごとに宿泊しています。建物は各地域で寄付を募り、建てたようで、作りと規模は大体同じですが、内部の飾り付けなどは地域ごとの特色があります。

[子どもたちの到着]
 到着時間を前後して、子どもたちがジプニーや小型のワゴンやトラックで続々と到着します。残念なことに政府軍とMILFとの武力衝突があった地域の子どもたちは安全面への配慮からキャンセルということでしたが、遠くは車で4-5時間ほど距離から来ている子どもたちもいました。子どもたちは、キャンプにワクワクで、長距離移動で疲れも感じさせぬほど、到着早々から元気いっぱいでした。

[子どもたちとの交流]
 今回は子どもたちへのインタビューやプログラムのインパクを計りに来たのですが、やはり子どもたちと交流する時間を持ちたいと思い、早速到着したばかりの子たちを訪ねに彼らの宿泊場所を訪問しました。何人かの子どもたちは、恐らく初めて出会うであろう外国人に興味深々、英語とタガログ語を交ぜながら話しをします。何か日本を紹介できることをということで、持っていった折り紙で鶴の折り方を即興で紹介しました。彼らも照れながら、自分たちのことや宿泊場所の飾り付けなどについて説明をしてくれました。

 兎に角、元気いっぱい。明日から始まるプログラムにワクワクして、エネルギーが有り余っているようでした。

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