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2013年6月13日木曜日

フィリピン市民団体の事例(1) テクノロジーを用いて平和を推進する PeaceTechの挑戦 その3

 第3日目はモジュール1の続きで、ステレオタイプ、偏見、差別について学びます。どちらかというとコンセプチュアルな部分でややもすると、理論的になり、退屈になります。参加者を飽きさせず、わかりやすく説明するのにファシリテーターの手腕が問われます。

[差別・偏見について参加者の共有]
学問的分類では、文化人類学や社会学で扱う範疇を行き来しながらSocial categorization、Social identification、Social Comparison、Social Dominance Theory、Contact Hypothesis、Ethnocentrism、Cultural relativismなどのコンセプトについて説明し、午前中の時間を使って一気に駆け抜けました。異なるグループでも接触する機会が増えるにつれて、偏見の要素が軽減すると言います。夫の研究で、ムスリム・クリスチャンの学生でクリスチャンの学生がムスリムの学生の友人、あるいは逆の場合でも友人を持つことで、異なる宗教を持つ人に対する態度によい意味での影響があると言います。
 これまで色々なNGOがフィールドの経験から、インターフェイスが異なる宗教間の理解促進に有効だとして、活動を行ってきましたが社会学の調査がある種の答えを与えてくれそうです。
 
 講義を受けて、自分が差別された経験、被差別の経験を話し合う場を設けました。差別された経
験、した経験をどのように克服したのか、ムスリムの参加者は、タクシーで乗車拒否、寮の入寮が許可されなかった等々の経験を持つものも数人おり、それに対してはイスラムの教えにある寛容さと忍耐でもって克服するといった話などが聞かれました。
 差別された経験を話すのも難しいのですが、逆に差別した経験を話すことはもっと難しいように思います。そのためか、もしくは参加者がそういう経験がないためか?差別された側の話を聞くこととなりました。ただ、差別や偏見が参加者の生活とは遠くはないこと、どう行動すべきなのか等改めて考えているようでした。

[差別と偏見のワークショップでの学び]
 交友関係を持つことで、異なるグループの人同士の心理的な距離が縮まることを理解しましたが、それとは別に近いものほど交わるのが難しいと思いました。つまり、クリスチャンであれば、クリスチャンでも教派が違うこと、違う習慣を持っていることに対して反発があると感じました。また、異なる宗教の和解は主題にはなるけど、クリスチャン内部での相互理解、異なる教派での理解は起こらないと思ってしまいました。ここオランダでは、プロテスタントによるカトリック教徒への反発、ネガティブな発言があると聞きます。

モジュール2はPeaceTechの真骨頂、技術を用いて平和を推進する。その為のツールを学んでいき
ます。ここでのツールは主に、ビデオ・写真・ブログの技術論です。

 PeaceTechのスタッフであり、ブロガーそしてアニメコスプレの大好きな(笑)スタッフによるブログ講座。ブログの歴史から、ソーシャルメディアの活用方法、そしてテーマを決めて、適したメディアを選び、書きはじめる一般的な内容でしたが、重要なことは皆が情報の発信者になれるということ、そして、思い立ったら始められるということでした。写真は、どの瞬間を捉えるのか、どういうメッセージを見るものに与えたいのかなどはなされました。レクチャーがメインでしたが、このあとブログなどを始めた参加者もいたようです。

 ワークショップで重要なのは、コンセプトを理解することも重要ですが、全体のデザインとして参加者が日常的にできることを提案し、参加者がワークショップ終了後それらを実践して、その経験を積み重ねて行けるかだと思います。なので理論とともに技術を学べるというのはよいことだと思います。
  
 こうしてブログを書いているうちに、オランダで平和教育のワークショップに関わるかもしれなくなりました。もう一度、自分で作ったモジュールの見直しと、事例の整理をしなければと思います。







 

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